「立春」は、太陰太陽暦を使用している「東洋の占い」の新年で、起点となっている大切な日です。
現代の新暦は、太陽暦で、明治5年12月3日を明治6年1月1日に改められたときからの暦です。
東洋の占いの起点となっている太陰太陽暦は、旧暦と呼ばれ、江戸時代以前の暦です。
この欄の「九星占い」は、2月4日の立春が新しい年の始まりで、翌年の2月3日の節分までが
2017年、平成29年となっています。
したがって、1月1日から2月3日の節分までに生まれた人は、前年度の生まれとなります。
節分は、ご存知のように四季の移り変わりのことを言います。
「季節を分ける」「季節の変わり目」という意味です。
春、夏、秋、冬、どの季節にも節分があります。
立春、立夏、立秋、立冬の前日が「節分」です。
とくに立春の前日が節分と言われるようになったのは、
昔は新しい年が立春から始まっていたからです。
立春前の節分が、とくに大切な節目の日ということで、この日が節分の代表になりました。
節分と言えば「福は内、鬼は外」と大豆を炒ったもの(福豆)をまき、
まいた福豆を年齢の数だけ食べる、または一つ多く食べて健康を祈る行事。
福茶(福豆のお茶)、恵方巻きの丸かぶりも恒例行事になっています。
さて、この節分、毎年2月3日と決まっているわけではありません。
これは1985年から2024年ごろまでに限ったことです。
2025年から(2021年からの可能性もあります)は、
閏年(うるうどし)の翌年の2月2日が節分になります。
節分の日が変わるのは、閏年が原因します。
立春は太陽黄経が315度となる日で、節分は立春の前日と決められています。
日本以外では「節分を祝う」風習がないため、節分が2月3日であろうと2月2日であろうと
気にする国はないようです。
ところで2月には二十四節気の立春と雨水(18日)があります。
立春は、この日から春になるので春が立つので立春。春が来るという季節の区分けを知らせています。
雨水は、この日から雨の水もぬるむといい、草木の芽も出ようとしていると気象を知らせています。
立春と雨水を三等分したのが七十二候。
立春の初侯は「はるかぜこおりをとく」東風が厚い氷を解かし始めると言っています。
次候は「おうこうけんかんす」うぐいすが山里で泣き始めると言っています。
末候は「うおこおりをはいずる」割れた氷の間から魚が飛び出ると言っています。
雨水の初候は「つちのしょううるおいおこる」雨が降って土が湿り気を含むと言っています。
次候は「かすみはじめてたなびく」霞がたなびき始めると言っています。
末候は「そうもくめばえいずる」草木が芽をふき始めると言っています。
ちょっと季節はずれのようですが、新暦と旧暦の違いが影響しているようです。
旧暦では
1月~3月を「春」
4月~6月を「夏」
7月~9月を「秋」
10月~12月を「冬」と定めています。
新暦より一か月ほど季節が繰り上げられているようです。
そのつもりでご覧になってください。
それにしても七十二候、表現が豊かで、いいですね。
農耕の暦としての風情もあります。日本の季節を垣間見る気がします。
2月には12日の「初午(はつうま)」の日というのもあります。
2月の最初の「午の日」これも日本特有の行事でしょうね。
稲荷(いなり)の祭日とされ、稲荷講の行事が行われます。
はじめは農業の「豊作祈願」の日でしたが、いつのころからか稲荷の祭日となりました。
文献によりますと稲荷社の本社である伏見稲荷神社のご祭神・宇迦御霊神が
伊奈利山へ降りた日が和銅4年2月11日、その日が初午であったことから、
稲荷社の祭礼となったという説があります。
本来は旧暦2月の最初の午の日ですが、現在では新暦2月の最初の午の日とされています。
それにしても暦を紐解いていくと、いろいろなことがわかります。
たとえば暦での問題点。
従来の旧暦では丑年が12月であったのが1月になったこと。
明治5年の12月が癸丑 九紫火星であったものが、
明治6年の1月が、癸丑 九紫火星になったために「丑月は1月」となり、
一か月繰り下げられたことで、暦的に問題生じました。
明治6年以降、変わってしまった干支、九星について、
変わったことを十分承知の上で、運気運勢の判断をしなければならなくなりました。
他にも、旧暦、新暦の違いが、いろいろとあります。
ではまた、次の機会に。