食べものの陰陽。

yasai
食事療法の勉強会で
どんな食べものが陽性か?どんな食べものが陰性か?で
はじめて出席された方々の間で議論が沸騰しました。

いつものことですが
これが陽性で、これが陰性と正しく決めることが出来ないのが
陰陽のむつかしいところです。

食事療法を勉強された方々の間でも
間違うことが多い陰陽論です。

そもそも「陰陽」とは何か?

この世には、
「陰」と「陽」の相反する二つの性質があり
その二つの性質が調和することで
この世が保たれています。

たとえば表があれば裏がある
上があれば下がある
朝があれば夜がある

陰があれば陽があり、
陽があれば陰があるというように。

こうした陰陽の考え方を取り入れたのが
東洋医学であり、食事療法であり、自然療法です。

食べものを陰陽で論じる場合、

暑い地域で育つものは陰性
寒い地域で育つものは陽性

水分の多いものは陰性
水分の少ないものは陽性

上のほうへと伸びて育つものは陰性
地面に近いところで育つものは陽性ということに
なっています。

早く育つものは陰性
育ちが遅いものが陽性

甘味が強いものが陰性
塩辛いものが陽性などなどと定義します。

しかし、それは「なに」と比べるかによって、
答えは違ってきます。

食事療法の勉強会では
目安としてお配りしている資料は…(上記と重複しますが)

◎動きについて
動物性のもののほうが陽性
植物性のもののほうが陰性

◎環境
寒い地域でよく育つもののほうが陽性
暑い地域でよく育つもののほうが陰性

◎上昇性・下降性
植物の中では、背が低いもののほうが陽性
背が高く成長するもののほうが陰性

◎野菜の中では根菜のほうがより陽性
葉菜のほうがより陰性

◎形色
穀類や野菜などの形は丸いほうが陽性
細長いほうが陰性

◎大きさ
野菜などの大きさは、
小さいほうが陽性。大きいほうが陰性

◎堅さ(水分)
水分の少ないものは陽性、多いものは陰性

◎味
苦いもの、塩からいものは陽性、
甘みの強いもの、酸っぱいもの、辛いものは陰性。

◎成分
ナトリウム=塩分が多いほうが陽性、
カリウムが多いほうが陰性

といったような資料を配って、
野菜について議論していただいています。

皆さんは、資料だけで
野菜や果物の「陰陽」がわかりますか?

ナスとニンジン
ホウレンソウと小松菜
ニンニクとタマネギ
サツマイモとカボチャ

どちらが陽性で、どちらが陰性でしょうね。

誤解のないように言いますと
陽性がよくて、陰性がわるい…ということはありません。
陰性がよくて、陽性がわるい…ということもありません。

その時々のご自分の「体」と相談の上
食事の内容を決めるのが食事療法です。

また、水分が多い陰性の野菜も
熱を加えれば陽性になります。

陰性、陽性は、調理方法によっても変化します。
したがって一概に陰陽を論じることは出来ません。
陰陽論のむつかしいところです。

要は、
日頃からバランスのよい食事をしていれば心配ありません。

自然の摂理にしたがい、
住んでいる土地の、季節の食べものを、
いろいろ食べることが、
陰陽のバランスを保つ近道でしょうね。

※営利・非営利に関わらず無断での転載、再配布、全文および一部の引用等を禁止します。